“繊細な感情の綾を瞬時に映す変化自在の目の威力”
最近、少しずつ雑誌の整理をしています。
ちょっと気になった記事がありましたので、一部紹介します。
私自身がイ・ビョンホンさんにハマった要因が「眼差し」でした。
彼の目の威力に虜になってしまいました。
『美しき日々』が初めてNHK-BSで放送される時の特集記事です。
= 「Movie Gong Vol.26」 2003年10月発売より =
~ 繊細な感情の綾を瞬時に映す変化自在の目の威力 ~
尊大で冷ややかで、誰もが気圧されそうなきつい視線を投げかけ、相手を突き放した次の瞬間には、クルクルっとよく動く悪戯っ子のような快活な瞳いっぱいに、屈託のない笑みがきらめいている。かと思うと、見る間にすがりつくような哀愁を帯び、スッとうつむいた目蓋に、震えるような孤独の影が、徐々に濃度を増しながら広がっていく。
“目は口ほどにものを言う”というけれど、彼の目はそれ以上だ。瞬時に変化していくその目は、言葉など及びもつかないくらい豊かな表現力で、その時々の心の機微を、激しく振幅する繊細な感情の綾を、見る者に語りかけ、説得し、否応なしの感情移入を引き出していくのである。それが、『美しき日々』のイ・ミンチョルであり、彼を演じたイ・ビョンホンの、他の追随を許さない特質、天性とも言える演技性の極致にちがいない。
『中毒』の監督パク・ヨンフンは語っている。「普段は、TVドラマなどほとんど観ない自分さえも、『美しき日々』だけは、七変化するイ・ビョンホンの目に魅せられて、夢中で見入ってしまった」
たしかに、『美しき日々』にハマらずにはいられない一番の要因は、イ・ビョンホンその人だと言っても過言ではないだろう。自在に変貌していく眼差しに凝縮されたエモーションのうねりを目の当たりにすることは、まさにうれしい驚愕だし、また、そんな希有な目の威力を持つビョンホンが放つオーラに身を委ねるひとときは、束の間現実を忘れてドラマの世界に浮遊する至福以外の何ものでもないと言えるからだ。
『中毒』でも、パク監督が惚れ込んだだけあって、ビョンホンの目の美味は遺憾なく発揮されている。……………………… 本来なら、決して受け入れられないテジンの行為を、だがひしひしと迫る共感とともに許さざるを得ないこの説得力。これはもう、台詞などでは説明しきれない、ビョンホンならではの“目の演技”の賜物としかいいようがない。
『JSA』でもスヒョクが兄貴と読んで慕った北朝鮮軍上官オ・ギョンビルと、事件後初めて向き合うこととなる最終尋問の件。憔悴し、もうこれ以上秘密を抱え込む苦痛に耐え切れない心情を、スヒョクは、わななく唇と今にも涙があふれ返りそうな切々たる眼差しで、ギョンビルに必死で伝え、助けを請うのだ。だが、ギョンビルは、いきなりテーブルをひっくり返してスヒョクに飛びかかり、その口を封じてしまう。仰向けに倒れたまま動かぬスヒョクの、表情を消した目に漂う、どうしようもない諦観と悲しみ。南北分断の非常な現実を、グッと実感する一瞬だった。
『バンジージャンプする』 ………… 男子生徒をジッと凝視するインウことイ・ビョンホンの、潤んだような瞳のせつなさは格別である。
『オールイン』 ………… 親の愛を知らずに育った生い立ちのせいか、暗い陰りを持つ目つきには、時折、相手を後退りさせるような険がさす。けれど、赤い糸で結ばれた宿命の恋人ミン・スヨンに対してだけは、眼光の鋭さも和らぎ、慈愛と優しさがにじみ出て、それこそ蕩けるように甘い眼差しになるのである。実際、こんなにも愛情を湛え、包容力に満ち、しかも相手の愛を渇望する一途さと、愛を強要することへの躊躇い、放っておけないような孤独感と寂しさを併せ持った、濡れたような瞳で見つめられたら、どんな女性だって心を奪われずにはいられない。………
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コメント
これでわかった。
おいら「美日々」は「ソンジェくん」に肩入れしてみてたのに、「ミンチョル」という人格はあんまり好きでなかったのに、「イ・ビョンホン」という役者(あえて使う、この言葉)が気になってしょうがなかった訳。
そしてまた、アップされてる写真にドキッとしてしまった。
もう少し素直になろ、おいら。
コマウォヨ、オンニー。
投稿: うりうり | 2005.07.27 01:32
す、素晴らしすぎる記事じゃあ あ~りませんか!!!
私が言いたい事を全て 語ってくれてます。
初めて読みました。
mallowちゃんありがとう!
とても幸せな気分になりました。
美日々 見たくなっちゃった。
投稿: Toko | 2005.07.27 18:57
mallowさん素敵な記事をありがとうございます。私もこの記事、知りませんでした。感謝です。
丁度ビョンホンssi と出会って1周年記念に
『美しき日々』を見直しているところで、虜になった当時を思い出していました。
本当に 知らぬ間にハマッテたんですよね~!あのまなざしに.............
特に、心とは反対の行動をとってしまうミンチョルの本音や、
微妙な心の揺れ(甘い人生でも堪能できますね.....)を、ビョンホンssiは、目だけの演技で表現されるんですもん!
本当に凄い俳優です。
ここで個人的に好きな表情で、『ひまわり』で最後に微笑むまなざしも、せつなくて大好きです。
(ネタばらしになるから、これくらいしか言えませんが.....)
投稿: arinko | 2005.07.27 21:17
うりうりssi、素直になって~^^
私は、「イ・ビョンホン」ではなく、「ミンチョル」の眼差しにやられちゃったから…。
「ミンチョル」の人格も結構、好きなのよね。
影を持つ人の方が魅力があります。
投稿: mallow | 2005.07.30 00:31
TOKOさま、素敵な記事でしょ…。
これ是非、ビョンホンファンの皆様に呼んでいただきたい記事です。
表紙がヨンジュンssiなのでほとんどの方は、お読みになられていないと思います。
私も「美日々」を観たくなったのですが、時間がなくて…。
投稿: mallow | 2005.07.30 00:36
arinkoさま、本当に素晴しいお方です。
どの作品にしても目で表現する演技は素晴しいと感じます。
投稿: mallow | 2005.07.30 00:38